酒列磯前神社の海を望む鳥居
参道の途中、ふと横を見てみれば、鳥居の向こうに青い空と小さな漁港がありました。
その神社は、海に向かってゆるやかに下る岬にありました。

とても立派な鳥居の向こうに、長い参道が続いています。

うっそうと茂る参道の木々は、まるで吸い込まれそうです。
じりじりと焼き焦がされる日差しに背を押され、ミンミンと賑やかなセミの声を聞きながら足を踏み入れると、ふと、涼しくなりました。
参道を覆う木々は、空に向かって手を差し伸べているよう。

「この樹叢は、樹齢300年になるそうですよ」
彼に言われて見上げると、タブノキが高く高く、上へと伸びているのが見えました。
自然と作られた木々の天井は柔らかく日差しを遮り、夏の暑さと喧噪から柔らかく包まれて、どこかふわふわと現実から切り離されたようです。
「この神社がお祭りしているのは少彦名命、大国主命の国つくりを支えた、医薬や酒造、醸造の神様と言われています」
話を聞きながら長い参道を歩いていると、彼が足を止めました。
「ほら、海が見えますよ」
つられて振り返ると、強い光。

次第に光に目が慣れてくると、そこには青い空と青い海がありました。

夏をくっきりと切り取ったような青。
「夏ですね」
「ええ、もうしばらくここは夏ですよ」
吸い込まれるような風景を見つめていると、いつの間にやら、じんわりと汗が滲んでいました。
「少彦名命は温泉の神様でもあるそうですよ」
「なるほど、お参りしたら行きましょうか」
ジワジワとセミの声が響く夏雲の向こう側で、また会いましょう。
ではみなさま、今週も、よいしゅうまつを。
…
あ、大洗町には10円で40Lの温泉が買える温泉スタンドがあるんですよ。

お出かけにはタンクをお忘れなく。
それではあらためて、みなさま、よいしゅうまつを。
酒列磯前神社の海の見える鳥居:
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